例えば、AとBの2人が、営業のアポ取りと資料作成の仕事をしたとします
Aは営業が得意で、Bは資料作成が得意なら、Aは営業、Bは資料作成を分担するのが効率的です。
これはわかりやすいパターンで経済学では、Aは営業に、Bは資料作成に「絶対優位」があるといいます
では、営業も資料作成もAの方が断然得意だとしたらどうでしょうか?
全部Aに任せて、Bは何もしない方が効率的なのでしょうか?いいえ、Aの時間に限りがある以上、Bにも何らかの仕事を任せるべきです
では、Bにどの仕事を任せればいいのか、それを教えてくれるのが比較優位という考え方で、機会費用の考え方を応用したものです。
比較優位の考え方
Aは、営業を1時間すると重要なアポが4件取れ、資料作成するを1時間すると20ページの資料が作れるとしましょう。一方、Bは営業1時間で重要なアポが1件取れ、資料作成1時間で10ページ資料が作れるとします。
重要なアポ取り | 資料作成 | |
Aさん | 4件 | 20ページ |
Bさん | 1件 | 10ページ |
それぞれの機会費用(その仕事をすることで犠牲になった仕事)を、表にまとめると
営業 | 資料作成 | |
Aさん | アポ1件の営業コストは 資料5ページ | 資料1ページの作成コストは アポ1/5件 |
Bさん | アポ1件の営業コストは 資料10ページ | 資料1ページの作成コストは アポ1/10件 |
反対に、資料作成1ページあたりの機会費用をそれぞれ犠牲になる営業のアポ件数で示すと、Aはアポ1/5件、Bは1/10件です。
営業は、Aの方が犠牲になるページ数が少ない。
資料作成は、Bの方が犠牲になる営業のアポ件数が少ない。
これを「Aは営業に比較優位を持つ」また「Bは資料作成に比較優位を持つ」といいます。
そして、それぞれが比較優位を持つ仕事に専念して分業すると、全体の経済効率が高まります
Aは資料を20ページ作る代わりに、営業のアポを取りを行うと、4件のアポが取れます。
この4件をBの仕事(資料作成)と交換してみましょう
Bにとってはアポ4件は4時間かかる仕事です
その時間(4時間)で資料作成を行うと40ページの資料が作れますから、Aが取ってくれたアポ4件の代わりに、少し少なめの30ページの資料を渡すことにすると、Bは資料10ページ分、得をします
(Bの方が出来ない分、いっぱい働いていますがAと対等成果を果いなくても良いという意味です)
するとAも、1時間の仕事の成果が資料30ページに変わります。
Aが1人で資料を1時間作成したら、20ページしか出来なかったのに、自分よりすべての仕事能力が劣るはずのBと分業することで、Bにも利益をもたらした上で、Aも利益を得たことになります。
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